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日本船に侵入したSS抗議船長の“正体” “ご法度”の肉もしっかりと食べて…(産経新聞)

 日本の調査捕鯨船団の一隻に不法侵入する“事件”を引き起こした米団体シー・シェパード(SS)のメンバーが、日本に向けて移送中だ。海上保安庁の取り調べを受けることになったSS抗議船「アディ・ギル号」のピート・ベチューン船長は、拘束中の船内でも余裕の表情。生物を“愛”するSS抗議船では肉食が“ご法度”のはずだが、肉や魚もしっかり食べて、比較的自由な毎日を送っているという。環境保護を標榜(ひょうぼう)しながら、捕鯨船団に対して毎年、暴力的な妨害行為を続けるSSメンバーの“言行不一致”に捕鯨船団の関係者もあきれ顔だ。(菅原慎太郎)

■仏料理や中華も? 肉や魚のごちそうを3食きっちり

 南極海から太平洋を北上し、日本へ向かっている捕鯨船団の妨害監視船「第2昭南丸」。ベチューン船長は、この船の1室に拘束されている。

 「外の空気を吸いたい」

 「外で運動したい」

 ある晴れた日、ベチューン船長がこう言い出した。見張りの船員は、船長を拘束している部屋から出し、甲板へと連れて行った。外に出た瞬間、潮風がゴーッと音を立てて吹き付けてくる。船長は気持ちよさそうに深呼吸し、腕立て伏せを始めた…。

 「ベチューン船長は『拘束』されているといっても、手錠をかけられたり、縛られたりしているわけではないし、牢獄(ろうごく)に入れられているわけでもない。結構、自由に歩き回っている」

 ベチューン船長の日本船内での暮らしぶりを、捕鯨船団関係者はこう明かした上で、次のように続けた。

 「日本は、違法行為の容疑者であろうと、暴力的な扱いはしないと知った上でわざと乗り込んでいるとしか思えない。法廷に出て反捕鯨キャンペーンをするつもりなんだろう」

 船長が入れられている船室は、一般の船員と同じ部屋で、ベッドや机もある。入り口に見張りの船員はいるが、鍵もかけられていない。

 「第2昭南丸はSS抗議船を監視するための船で、もともとはマグロ漁船。クジラを捕獲したり、解体したりする設備はないから、船長が歩き回っても問題ない。もちろんボイラーなど危険な部分には、立ち入らせないが」

 食事も一般船員と変わらない。1日3食。肉、魚、野菜…さまざまな素材を使った料理をベチューン船長はしっかりと食べ、健康な様子だという。

 SSのポール・ワトソン代表は「菜食主義者」と公言しており、SS抗議船内では肉や魚は食べてはいけないという。

 「だとしたら、日本船内の方が、おいしいものを食べているかもしれない。何カ月も、陸に上がらず生活する捕鯨船員の楽しみは食べることだから、捕鯨船団の食事は豪勢。フランス料理や中華料理も出る」

 捕鯨船に乗船経験がある男性はこう話す。

■裁判は覚悟の上? “お泊まりセット”携帯…

 ジェットスキーで第2昭南丸に近づき、ナイフで侵入防止用の柵を切り裂いて強引に乗り込んできたベチューン船長。しかし、船内では、暴れたり反捕鯨論をまくしたてたりすることもなく、穏やかな表情で毎日を送っている。

 そもそもベチューン船長は何のために、第2昭南丸に侵入してきたのか。

 今年、捕鯨妨害を繰り返したSS抗議船3隻のうち、ベチューン船長のアディ・ギル号は1月に第2昭南丸と衝突して沈没した。自分の船を失った形の船長は、2月15日に第2昭南丸に侵入し、3億円の損害賠償を請求する趣旨の書簡を手渡してきた。しかし、水産庁では、目的はそれだけだったとは見ていない。

 捕鯨船団関係者によると、ベチューン船長は侵入してきたとき、歯ブラシなどの“お泊まりセット”や通信機器などをしっかりと携帯していた。

 「長期滞在するための準備をしていたということは、日本へ連れて行かれて捜査を受けるのも覚悟の上ということ。日本の刑事裁判を利用して、反捕鯨をアピールするつもりなのだろう。自分が危険な違法行為を行ったという認識はあるのだろうか」。政府関係者は、こう眉(まゆ)をひそめる。

■妻子あるニュージーランド人 自称「環境を守る戦士」

 ニュージーランド・ヘラルド紙によると、ベチューン船長はニュージーランド人で、現在44歳。もともとは海底油田を発掘するエンジニアで、北海やリビアなどで暮らしていたこともあったが、夫婦で家を担保に入れて、高速艇「アース・レース号」を建造した。

 この高速艇が後にアディ・ギル号に“改造”されることになる。ベチューン船長は、この高速艇でバイオ燃料を使って世界一周するというイベントに参加していたが、途中、グアテマラの漁船と衝突事故が起き、死者も出たため、多額の補償金の支払いを背負うことになったという。

 ベチューン船長が3億円の損害賠償を請求した背景には、こうした事情もあったようだ。

 船長には妻と十代の2人の娘がいるという。妻のシャロンさんは同紙に対して、「日本船に乗った動機は支持している。彼には、沈んだ船(アディ・ギル号)について請求書を出す権利がある」「彼は、自分のことを『環境を守る戦士』に例えている。妥協を許さない姿勢が、こうした結果を生んだ。彼の目的は、できるだけ多くのメディアの関心を得ること」と語っている。

■逮捕?起訴? それとも送り返す?

 ベチューン船長を乗せた第2昭南丸は近く、日本の横浜港に入港する見通しで、船長は東京海上保安部の取り調べを受けることになる。

 公海上の乗り込み行為でも、日本船内では日本の法律が適用されるため、取り調べは日本の刑法や刑事訴訟法などに基づいて行われる。船長は当面は、第2昭南丸に強引に侵入した艦船侵入容疑で取り調べられることになりそうだ。

 艦船侵入罪の刑罰は、3年以下の懲役刑か10万円以下の罰金しか定められていないため、これだけの場合、起訴されないケースも多い。ただ、ベチューン船長は化学物質の酪酸が入った瓶を捕鯨船に投げ入れるなどして、日本船の3人の顔にけがを負わせた捕鯨妨害についても「自分がやった」と認めていることから、より罪の重い傷害容疑(15年以下の懲役など)で立件される可能性もある。

 捕鯨船団側では、捕鯨妨害の被害を写真で確認するなど、証拠保存を進めているが、正式に逮捕手続きがとられるか、任意の取り調べという形式になるかは、海保などが判断する。

 公海上で乗り込んできたSSメンバーの刑事処分には前例がない。法務・検察当局や外務省、水産庁などは異例の展開に備えるため情報交換などを進めているが、「厳しく対処すべき」と厳罰を望む声がある一方で、「逮捕、起訴したら、裁判を反捕鯨PRに使おうと考えている相手の思うつぼ。逮捕・起訴せずに送り返したほうがいい」という意見があるのも事実。刑事処分の見通しは、まだはっきり見えないのが実情だ。

■それでも止まらぬ捕鯨妨害 SS「大成功」

 一方、SSの捕鯨妨害そのものは、ベチューン船長が身柄拘束された後も止まることはなく、日本の調査捕鯨も引き続き中断を余儀なくされた。

 3隻のSS抗議船のうち、抗議船「ボブ・バーカー号」はノルウェー船を偽装していたことが発覚し、トーゴ船籍を剥奪(はくだつ)されたが、それでも妨害をやめなかった。無国籍船となったため、軍艦や海上警備艇からの臨検も可能となったはずだが、それを行える日本船は南極海にいない。2月26日になって、SSはウェブサイトで今シーズンの妨害活動を終了すると発表し、反捕鯨国オーストラリアへ帰っていった。「大成功のキャンペーンだった」。ワトソン代表はこう宣言した。

 調査捕鯨は再開されたが、4月上旬には日本へ戻らなければならず、捕鯨船団に残された時間はあとわずかだ。

 「いまからしっかりと調査をすれば、ある程度は取り戻せる。しかし、SSに対しては悔しい思いだ」

 捕鯨船団関係者は、こう語った。ベチューン船長については日本船に乗り込んできたため日本で取り調べを行うことができるが、公海上の捕鯨妨害に対しては逃げる以外の有効な対策がない実情は変わっていない。

 公海上でのSS逮捕を可能にする法整備の議論も止まったままだ。反捕鯨国でもSSへの批判は高まりつつあるが、それでも捜査当局が摘発するまでの動きとはなっていない。

 「このままでは、どうせまた、来シーズンも同じことが繰り返されるだろう」

 ある農水省幹部はため息をつく。捕鯨船団はまた、冷たい南極海で、暴力の危険にさらされることになるのだろうか。

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 子宮頸(けい)がんの予防ワクチン接種への公費助成を求める実行委員会が2日、発足した。発起人共同代表で女優の仁科亜季子さんは自身が患者だった経験を踏まえ、「ワクチンは全女性への贈り物。公費助成を実現し、悲しい思いをする女性が一人でも少なくなってほしい」と訴えた。

 現在、日本では毎年約1万5000人が発症し、約3500人が死亡している。ウイルス感染が原因で、ワクチンを接種すると患者の発症数を6〜7割減らすことが可能と言われる。厚生労働省は昨年、ワクチンの販売を承認したが、任意接種のために約5万円の実費がかかる。

 共同代表には仁科さんのほか、土屋了介・国立がんセンター中央病院長が就任した。今後、専用サイト(http://hpv.umin.jp/)などを通して署名を集め、5月末に厚労省に提出する。問い合わせは事務局(電話03・6427・3782)。

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<固体化リチウム電池>常温以下で作動、世界初 三重で成功(毎日新聞)

 三重県は23日、三重大や民間企業と連携して開発に取り組んでいる新型リチウム電池の試作品を発表した。正極と負極の間の電解質層を固体化した電池では、世界で初めて常温以下で作動させることに成功したという。開発に参加している同県産業支援センター(同県四日市市)は「実用化に向けて大幅な前進だ」と話している。【岡大介】

 リチウム電池は携帯電話などに使われているが、電解質層には液体を使っているため、まれにガス化して火災を起こす恐れがある。固体化すれば安全になる上に、形状を自由に変えたり、低コストで大量生産できる利点があるが、これまで60度以上の高温でないと作動しない電池しか作れなかった。

 そこで、低温でもイオンを通すポリマー(プラスチック)を開発し、今回の「全固体ポリマーリチウム二次電池」の試作に成功した。0度の低温でも正常に作動するという。同センターは「薄くて形状を変えられるため実用化できれば今後、普及が見込まれる電子ペーパーなどにも使える」と期待している。

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津波「避難」対象者、実際に避難は6・2%(読売新聞)

 大津波警報が発令された青森、岩手、宮城3県の36市町村のうち、「避難勧告」にとどめた青森県大間町と東通村を除く34市町村が、より強く避難を促す「避難指示」を出した。

 17年ぶりの大津波警報にもかかわらず、「避難率」は低く、検証が求められる。

 「津波警報で避難勧告」「大津波警報で避難指示」という基準を設けていた自治体が多い。しかし、読売新聞の調べによると、36市町村の34万人のうち、行政が実際に避難所などで確認できたのは、6・2%にあたる2万1000人。自宅にとどまった人のほかに、日曜日ということもあって、買い物やレジャーなどで沿岸部を離れた人も少なくないとみられている。

 1万4966人に避難指示を出した岩手県釜石市でも、避難が確認されたのは950人と、6・3%にとどまった。昨年3月の津波を想定した避難訓練では、住民2000人が参加したが、今回はその半分以下だった。市が目指す「避難対象者の2〜3割」という目標を大きく下回った。

 市は避難率が低い状況を「警報の発令から津波の到達までが長く、住民がテレビなどで得た情報で自己判断したためではないか」と分析する。

 市内の食堂従業員の女性(58)は避難の呼びかけは聞こえたが、そのまま職場にとどまった。女性は「ここは堤防が高いし、避難所が近くで、すぐに逃げられる。この辺りは50年前のチリ地震津波の時も大丈夫だった」と話した。

 一方、同市大渡町自主防災会の荻野哲郎会長(67)は「経験で津波の怖さは十分に知っている。今回は時間の余裕があったので、訓練通りに避難できた」と振り返った。同市の担当者も「避難は最終的には住民の自己判断。行政側は、避難を促すような情報を提供していくしかない」と話す。

 室崎益輝・関西学院大教授(都市防災工学)の話「避難勧告・指示に従わなかった人が多数いた可能性があるのは大きな問題で、なぜ従わなかったのか調査すべきだ。勧告や指示を伝達する地方自治体が町内会などを通してきめ細かに住民へ伝えたか、防災無線を流すだけだったかなどで住民の反応に違いが出たかもしれない。数十センチの津波でも場合によっては流される危険性があり、津波の恐ろしさを理解させるような教育が必要だ」

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 ■練習リンク閉鎖、病気…コーチと乗り越えた

 バンクーバー五輪のリンクに華麗な演技が舞った。23日(日本時間24日)始まったフィギュアスケート女子。日本勢の3人はショートプログラム(SP)で懸命の滑りを見せた。その一人、鈴木明子(24)=邦和スポーツランド=は、長久保裕コーチ(63)とともに多くの困難を乗り越えて登場した。SP11位とやや出遅れたが「フリーで返す」と宣言。遅咲きのヒロインは初の大舞台に滑り出した。(小川寛太)

 浅田真央(19)、韓国の金妍児(キム・ヨナ)(19)と高得点が続いた異様な雰囲気の中、鈴木が登場。ジャンプでミスはあったが、魅力的な演技で会場を鈴木の“空気”に変えた。演技後、見守る長久保コーチに駆け寄ると、ようやくほっとした表情を見せた。

 鈴木は、浅田や安藤美姫(22)と同じ愛知県出身。小学生で、スケートリンク「オレンジワン泉」(仙台市、現アイスリンク仙台)にいた長久保コーチと出会い、先進的な指導にほれ込んだ。

 トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん(28)も育てた名コーチの指導は厳しく、現役時代に師事し、鈴木と一緒に練習した長野五輪ペア代表の荒井万里絵さん(28)によると、「選手にきつい言葉をかけることも少なくなかった」。鈴木が反論し、2人が激しく言い合うこともあったが、「(鈴木は)コーチが間違っていないと信頼しきっていた」(荒井さん)。

 鈴木は平成15年、「フィギュア王国」愛知を離れ、恩師のいる仙台に。東北福祉大で五輪を目指したが、摂食障害で体重が15キロも減少。1年間リンクに立てなかった。厳しい長久保コーチだが、苦境に陥った鈴木に寄り添い、食事に同席するなどして見守った。

 困難は続いた。16年12月、経営難からリンクが閉鎖。練習場所を失った。大学卒業後、長久保コーチを追って契約社員となった「邦和スポーツランド」(名古屋市)では当初、カウンターで一般客にスケート靴を貸し出し、清掃もした。一般客のいないときに練習したが、磯部裕樹副所長(51)は「練習に納得がいかず、客に交ざって滑っているときもあった」。昨年は、長久保コーチが胃がんの手術を受けた。

 病気と厳しい練習環境。2人は困難をバネに大舞台に立った。SPの演技直前、長久保コーチが一声かけると、鈴木はうなずき、リンクへ飛び出した。荒井さんは「五輪の2人を見て涙が出そうになった。フリーでも観客を“鈴木明子の世界”に引き込んでほしい」と期待を寄せた。

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